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  1. JAGUAR I-PACE
    INNOVATORS’ TALK

    極端に振り切れないプロダクトは淘汰される
    WHILL杉江理×為末大対談【後編】

    極端に振り切れないプロダクトは淘汰される
    WHILL杉江理×為末大対談【後編】






    • 人類の発展に深く関わってきた「移動」のテクノロジー。そこに革命をもたらそうとしているのが、次世代型電動車いす・パーソナルモビリティ『WHILL(ウィル)』開発者・杉江理氏だ。

      (写真)右:杉江理氏。1982年生まれ。静岡県浜松市出身。日産自動車開発本部を経て、一年間中国南京にて日本語教師に従事。その後2年間世界各地に滞在し新規プロダクト開発に携わる。Silicon Valley Business Journal’s 2017が選ぶ40歳以下の経営者40人の一人選出。WHILL株式会社 代表取締役 兼 最高経営責任者(CEO)左:為末大氏(Deportare Partners代表)。1978年広島県広島市生まれ。男子400mH日本記録保持者。2001年世界陸上エドモントン大会・2005年世界陸上ヘルシンキ大会で銅メダルを獲得、シドニー・アテネ・北京のオリンピック日本代表。






      「人間とは何か」を追究する“走る哲学者”為末大氏との対談前編では、合理性の先にある「クセ」が生物・無生物を共に進化させる可能性が示唆された。今後、人間と機械はどのように変化していくのか。二人の予想する未来とは――。

    • 「移動」のセレンディピティ

      (写真)最新機であるセカンドジェネレーションの『WHILL Model C』は2017年にグッドデザイン賞を受賞。物理的要因だけでなく、精神的要因から「100m先のコンビニに行くことを諦める」という一人の車いすユーザーの声から開発がスタートした。「気に入ったシャツやこだわりの自転車」のようなデザインを追求したという。

      為末:杉江さんは移動手段としてのWHILLを作っていると思うのですが、一方で私は「走る」こと、すなわち移動自体を目的として競技生活を送ってきました。

      移動は手段なのか、目的となり得るのかはぜひ、杉江さんに伺ってみたいテーマです。

      杉江:それで言うと、WHILLで「散歩」する人って結構いるんですよ。近所をぐるっと一周するのが楽しい、みたいな。

      為末:移動そのものの娯楽化ですね。

      杉江:でも、そこに発生するセレンディピティも移動の目的じゃないかと思うんです。例えばWHILLによって家から出られるようになって「散歩」していると、5回に1回は近所の知り合いと会える、というような。

      為末:たしかに、僕のようなアスリートも「走ること」だけでなく、それに伴う勝利の喜びや生活の糧を得ることも、目的といえば目的ですね。

      杉江:一方で僕個人にとっては、移動はあくまでも手段なんです。なので、どこかへ行くということの他にも、目的を持つようにしています。

      為末:他の目的と言うと……?

      杉江:例えば、電車移動をしながらスマホで情報収集したり、徒歩移動をしながらリモートでミーティングに参加したり。

      徒歩移動は健康にもいいですし、こういったプラスアルファの目的を達成しながら、気がついたら目的地に着いているのが理想ですね。

      為末:合理的ですね(笑)。

    • 普及するプロダクトのカギは「家電感」


      為末:杉江さんという人物を語る上で「合理的」というのは重要なキーワードだと感じます。

      杉江:デザイナーなので、体に染みついているのかもしれませんね。服も靴以外はだいたいユニクロですし。

      でも、ユニクロのデザインっておもしろいんですよ。汎用性のあるベーシックなデザインに、機能性素材でちょっとテックを足している感じで。

      為末:杉江さんにとっては、テックの部分がフック。つまり、前回の話に出た「プロダクトのクセ」というわけですね。

      杉江:それに基本的にベーシックだから、人が主役になれますよね。デザインが中性的であるのは、ユニバーサルなプロダクトの特徴だと思うんです。

      為末:使い方にその人の個性が表れる、ということですね。

      杉江:はい。iPhoneなんかはまさにそうですが、同じモデルを世界中の人が持っていても、中身のアプリのラインナップは一人として同じ人はいないはずです。こういう、ある意味での「家電感」が広く普及するには必要なのかなと。

      為末:「家電感」はわかりやすいですね。そして生活に溶け込むことが目標のWHILLもまた、家電になっていく、と。

      杉江:そのとおりです。WHILLってよく見ると、丸と四角を組み合わせてデザインしているんですよ。未来的なイメージは残しつつも、個性を出しすぎないように心がけています。あくまでも乗る人を活かすためのデザインですね。

      だって、家に帰ってジャガーが部屋の中にあったら違和感がすごいじゃないですか(笑)。

      為末:たしかに(笑)。

      杉江:そこはマーケットとの兼ね合いでもあります。WHILLの想定ユーザーは身体障害者や高齢者を含むすべての人々ですから、多くの人たちに受け入れてもらえなければ意味がない。

      逆にジャガーのようなプロダクトは「嗜好品」に該当すると思います。めちゃくちゃクセが強いから、それにハマる人はすごくハマる。そういうプロダクトの作り方も王道ですよね。

    • サイボーグ化は「もう始まっている」


      杉江:先日、北京のMUJI HOTELを利用したのですが、本当に居心地がよかった。聞けば無印良品は「ブランドがない」ことがブランドだと言います。それでいて世界的に支持を得ている。

      デザインの最大公約数が「人を立たせる」ことである以上、プロダクトの進化は無味無臭なデザインに収斂していく方向性になり、しばらくは変わらないと僕は思います。

      そのカウンターとして、振り切った嗜好品のプロダクトもなくならない。ただし、どちらにも振り切れていない中途半端なプロダクトは、淘汰されてしまうでしょうね。

      為末:移動は手段か目的かという議論にもつながりますね。移動は手段として発展していくけれど、それ自体を目的とした移動もなくなりはしない、と。

      杉江:はい。ただし、この流れが絶対に覆らないわけでもない。

      戦争下の時代と平和になった時代で価値観がまったく異なるように、例えばWHILLの自動運転が普及して道路や建物の概念が根本から変われば、「移動」について何を重視するかも変わるはずです。

      為末:実際に、WHILLによって歩行困難者がより自由に外出できるようになった現実があります。この変化は広義の人体拡張と言えるでしょう。

      杉江さんはこの先「人間」の概念がどう変わると思いますか? サイボーグのように機械と融合していく?

      杉江:人間と機械が融合する時代は、もう来ているんじゃないですかね。だって、歩けなくなれば代わりの方法を探すしかないわけですから。

      かと言って、いきなりサイボーグが登場するわけではなくて。WHILLのようなプロダクトから始まって、徐々にサイボーグに近づいていくのではないでしょうか。

      僕なんかは常に手ぶらでいたいので、ICチップを体内に埋め込むとか、記憶の外部媒体と接続するとか、早くやってみたいですけどね。


      (構成:朽木誠一郎)

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